3月9日に一部店舗とオンラインストアで先行販売されたHYKEとPORTERがコラボしたヘルメットバッグをレビューします。
■HYKEとは
HYKEは2013年にスタートした日本のファッションブランド。デザイナーは吉原秀明さんと大出由紀子さん。元々古着好きで代官山で古着屋を営んでいたそう。今も古い伝統的な衣服をベースにミニマル&ベーシックながら、独自の解釈を取り入れた服を作っています。古着でもよく見られるミリタリーやワークをベースにしていることが多く、やや男臭い要素をうまくジェンダーレスにして、ウィメンズ中心でありながら男性にも人気となっています。
■PORTERとは
言わずと知れた日本のバッグブランド。「一針入魂」のキャッチコピー通り、丈夫で確かな縫製と機能美溢れるデザインで老若男女あらゆる世代に受け入れられるブランドです。私も学生時代から愛用しており、ヘルメットバッグ、リュック数個、ミニショルダー、ヘルメットバッグなど多数所有しています。
今回はこの2ブランドがコラボしたヘルメットバッグについて、実際に使用してみて良いと思ったところと正直イマイチだったところを紹介したいと思います。
目次
よかったところ
しっかり大きいサイズ感
普段ヘルメットバッグを使わない人は戸惑うかもしれませんが、こちらかなり大きいサイズです。通常のタンカーシリーズのヘルメットバッグがすっぽりそのまま中に入るくらいには大きいです。
中には大きすぎて見送りますなんて人もいたようですが、ヘルメットバッグはこの大きなサイズ感がいいんですよね。
存在感があってコーディネートのアクセントになってくれます。
定番のヘルメットバッグ型


形はヘルメットバッグです。外にふたつ大きめポケットがあり、中にはミニポケット1つ、深めのサイドポケットが2つ。普通のカバンよりも高さはあるけどマチがないのが特徴です。
ただ、マチがないように見えて、実際ものをいれると膨らんで厚みが出るので、それなりの容量があります。


中の裏地はキルティングになっていて、小さいファスナー付きのポケットがありここには貴重品など入れるといいかもしれません。


また、左右に深さのあるポケットがついています。結構深いので高さ27センチ×横5.5センチの折り畳み傘がそのまま入れられますし、もっと幅のあるカメラレンズなんかも入れられそうです。
クッション性のあるショルダーベルト


ショルダーベルトがかなり肉厚&幅広になっていて、荷物がパンパンで重くなっても、重さを感じにくい工夫がされています。クッション材の厚みがかなりあるので肩にかけるとそれなりに存在感がありますがこれは荷物の多い自分としては非常にありがたいポイントです。
またバックルが着脱式になっているので、斜め掛けから下ろす際もスムーズです。
ファスナーやバックルパーツのこだわり


メインコンポーネントのファスナーはYKKの大型タイプで、グレーのマット塗装が施されていてかなり渋いです。外ポケットのボタンも似た加工がされています。通常のタンカーシリーズだとこういったパーツは光沢のある金属なので、結構雰囲気が変わります。


またショルダーベルトなどのバックルには丈夫で品質の高いデュラフレックスが用いられています。また、脱着可能なペーつ部分にはPORTER HYKEの文字が彫られています。
丁寧でしっかりとした縫製




縫製はPORTERだけあって非常に丁寧です。使用時におそらく一番負荷がかかるであろうショルダーベルトの取り付け箇所は何重にも縫い付けられていますし、ファスナー取り付け面や持ち手なども何重にも縫製されていて、とても丈夫そうで安心して使うことができます。
悪かったところ
表面の生地が安っぽい
今回の一番の問題はここです。こればかりはどうしてこうなった?という感じ。。
バッグの印象に一番影響の大きいであろう表面には、撥水加工が施されたナイロンオックス生地が使われています。このナイロンオックスが本当に残念すぎるくらいに安っぽい。。
初めてネットで本コラボのニュースを見たときに掲載されていた画像では、もっと密度が高く光沢があり、実物とは全然ちがう雰囲気でした。
確かにやや遠目から見れば生地の折り目が見えないので、密度が高そうに見えて高級感はあります。しかし実際自分が肩にかけて手元で目にすると・・・うーん。これじゃない感。。
丈夫さや撥水加工という点はメリットですし、ヘルメットバッグのミリタリー性を考えればこの生地は妥当かもしれません。ただ、イメージ写真と実物のここまでの違いはちょっと考えものかなーと思います。


今回のように限定販売のコラボ商品の場合、実物を見てから購入するのが難しい人も多い(実際ネットの先行販売は即完売)ので、せめて商品写真をもっと多めに掲載して、生地感がわかる拡大写真も載せるべきだと感じました。正直言って写真詐欺と言われるレベルのガッカリ感。これならPORTERの通常のタンカーシリーズに使われているナイロンツイルのほうがずっといいですし、イメージ写真はそっちの生地に近い感じに見えます。
外ポケットに裏地がない
これもある意味安っぽさにつながる部分です。
ヘルメットバッグのデザイン的な特徴として、表面にある2つの大きな外ポケットです。
私は普段からPORTERのヘルメットバッグを愛用しており、この2つのポケットのうち片方に財布や鍵、携帯靴べらなどを入れて、もう一方にはワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーなどを入れています。このポケットが結構容量があるので、さっと取り出したいものをサイズに関わらず入れられて便利なのです。
今回のコラボバッグではこのポケットの生地に裏地がなく、スカスカだったのが残念でした。
ペラペラスカスカしていて安っぽく、ポケット越しのものが壊れそうで安心してものを入れられないです。ちょっと角のあるものを入れると内側から破れそうですし、歩いていて屋外のどこか硬い部分にぶつけでもしたら、中の物に直接衝撃が伝わってしまうと思います。イヤホンや充電器を入れているといつの間にか壊してしまいそうで不安になります。
まとめ
今回のヘルメットバッグは正直微妙でした。これからもう少し使っていって生地が馴染んでくると印象は変わるかもしれませんが、今のところはネットの画像と実物の質感のギャップの大きさによるダメージが拭いきれません。。
細かなパーツ使いやクッション生の高いショルダーベルト、色合いなどは個人的にはとても素敵だと思います。
ほんとに、、、表面の生地だけどうにかならなかったのだろうか。。試作品見て「安っぽくない?」という声は出てこなかったのだろうか?
ヘルメットバッグ自体、そんな高級志向な類のものではないし、実用重視なのはわかるけども。だってHYKEとPORTERコラボだよ?「今回のコラボ用に最高のオリジナル生地作りましたよ!密度があって適度な光沢と丈夫さ、撥水性を兼ね備えてます!」くらいやって欲しかった。生地だけ通常のナイロンツイルに変えて再発売してくれないかな。
こまかなディテールは本当にかっこいいので。もったいないコラボだと思います。
また使っていけば評価は変わるかもしれないので、そのときはまた記事にします!