今回はデンマークのオーディオブランドBang&Olufsen(バング&オルフセン)から発売されているフルワイヤレスイヤホン「Beoplay EQ(ベオプレイ イーキュー)」についてレビューします。
ここ数年で一気にワイヤレスイヤホンが普及し、音質もデザインも随分と洗練されてきたと思います。今回レビューするBeoplay EQは、そんなワイヤレスイヤホンの中でも「デザイン」と「音質」にこだわったアイテムです。
目次
Bang&Olufsen(バング&オルフセン)とは?
1925年にデンマークで創業したオーディオブランド。オーディオ分野のインダストリアルデザインの代表的なブランドで、多数の製品がMoMAのパーマネントコレクションにも選定されているほど。また音響技術に関する特許も多数取得しており音質にも定評がある。
Beoplay EQスペック
●発売日:2021年7月29日(ブラック)/2021年8月19日(ゴールド)
●価格:39,900円(税込)
●接続タイプ:完全ワイヤレス
●ノイズキャンセリング:アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能搭載
●再生時間
AAC with ANC:最大6時間、ANC 利用無し:最大 7.5 時間
aptX Adaptive with ANC:通話のみ利用時 最大5.5時間
Earbud 2回分の充電と併せて最大20時間使用可能
(Earbud充電分とチャージングケースによる充電2回の合計、AACにて 接続した場合)
●Bluetooth:5.2 (1.1から5.2の製品対応)
●対応コーデック:aptX Adaptive, AAC, SBC
●ドライバーサイズ:6.8mm
●再生周波数帯域:20 - 20,000Hz
●充電形式:充電ケース(USB-C/Qi)
デザイン


ケースのデザインはこれまでの本革仕様の丸っこいデザインから、アルミニウムの金属感あるデザインに刷新されました。航空機グレードのアルミニウムの表面にアルマイト加工が施されており、サラッとした肌触りで非常に高級感があります。
ん?「航空機グレードのアルミニウム」「アルマイト」どこかで聞いたことのあるフレーズですね。そうですiPhoneの筐体と似た素材や処理が施されているのです。
なぜかというと、このBeoplay EQでは元アップルのデザイナーであるMiklu Silvanto氏(なんて読むのか不明)がデザインを担当しているからなのです。


イヤホン本体はロゴ部分に金属パーツが使われており上質さが伝わってきます。
また、一部に設けられた半月状の突起部分もほどよいアクセントになっています。
このEQでもそうですが、イヤホンの高級機種では暗めのグレーやゴールド、カッパー(銅色)のような配色のものが目立ちますね。SONYの「WF-1000XM4」や、 B&Wの「Pl7」など似た配色のもの多いですよね。意外と「黒」が使われていないのは、深い黒で塗装するのが難しく多少の傷でも剥がれたりするようなので、どのブランドも黒以外の色で工夫して高級感を出しているのかもしれません。
W&O「Pl7」※B&W公式サイト
着用感
サイズが大きくなったことで外れやすそうな印象を持っていましたが、つけてみるとまったくそんなことはありませんでした。収まりがよく激しめに首をふったりしても外れたりすることありません。
イヤホンはある意味ファッションアイテム的な側面もあると思うのですが、耳につけた時のサイズ感もよく、ロゴ部分の金属感がかなりかっこよく、高級感もあると思います。
音質
私が元々使用していたBeoPlay E8 2.0では、中高音の伸びが良く、明瞭度の高い澄んだ音で、その分低音はやや大人しめな印象でしたが、EQではドライバサイズが大きくなった(5.7mm→6.8mm)こともあり低音の迫力が増しているように感じます。
BTSの「Dynamite」やYOASOBIの「夜に駆ける」、藤井風の「きらり」など、ボーカルの高音とともに強めの重低音が流れる曲でも、高音〜低音までバランスよく鳴らしてくれます。(オーディオについて的確に評価する自信はないので音質についてはこのくらいにしておきます汗)
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
現時点ではANCの強弱を調節する機能がリリースされていないので、アプリが対応するまでは様子見かと思います。
ただ現時点でもノイズキャンセリングは十分に効いていると思います。風切り音や高い電子音、人の声などキャンセリングが難しい種類の音もありますが、ANCなしの場合と比べると格段に静かです。完全な無音を求めるのでない限り、十分なレベルにあると思います。
接続安定性
60分ほどの移動(街中で徒歩10分ほど、地下街を10分、地下鉄20分、電車20分)くらいの移動で一瞬だけブツっと接続が途切れる様なことが2度、右のイヤホンだけ音が出なくなることが1度だけありました。どちらも一瞬のことですぐに接続が再開されましたが、以前使っていたBeoPlay E8 2.0ではこの様な現象はほとんど見られなかったので、比較するとやや安定性に欠けますが実用上気になるレベルではありません。
操作性(取り回しやすさ)


まずケースについて。アルマイト加工された表面はサラッとした手触りで、気を抜くとケースを落としてしまうかもしれません。これまでは本革ですべりにくかったので、それに慣れていると落としてしまうと思います。
次にイヤホンの操作性です。曲送り戻しができず、ANCの切り替えや音量調整が全て2タップなのが面倒です。一部機能は1タップでできる様にすればより快適に使えると思います。
この辺りも設定用アプリやファームウェアの更新で対応してもらえるとうれしいなと思います。


現在のアプリでは、イヤホン本体やケースのバッテリー残量や、音量の調整、ANCのオンオフ、リスニングモードの変更などが可能。
Beoplay E8 2.0との比較
最後に以前私が使っていたBeoPlay E8 2.0との見た目の比較をしてみます。
まずは箱。大きさが全然違いますね。この数年で企業の環境配慮意識がかなり高まっているので、なるべく小さい包装を心がけているのかもしれません。
次にケース。こちらはやはり雰囲気が随分違いますね。
以前の本革ケースもおしゃれですが、今回のアルミニウム仕上げのデザインをみると、以前のデザインがやや古臭く感じてしまいます。


イヤホン本体の比較です。
ANCなどの新しい機能が盛り込まれた分、厚みが少し増していますが、元々E8 2.0が小さめなので付けてみてもさほど大きいとは感じませんでした。
まとめ
実物を手にする前は、E8よりも大きくなってしまている点が気になったり、ANCの必要性を感じていなかたので購入しようとはおもていなかたのですが、実物を手に取ってみると非常に良い質感で所有欲をくすぐられてしまいます。また思っていたよりも低音域の迫力が増していたことも購入の決め手になりました。
・低音域〜高音域まで全体的にバランスの良い澄んだ音色
・B&Oの高級感ある洗練されたデザイン
・ANC搭載イヤホンとしては比較的小さなサイズ感
・必要十分なアクティブノイズキャンセリング機能
これらに惹かれるならぜひゲットしてみてください。
「イヤホンなんて音楽が聴ければなんでもいい」という方もいると思いますが、完全ワイヤレスになって、イヤホンがピアスのようなアクセサリーともいえる時代、そのデザインにも少しこだわって選んでみてはいかがでしょうか。
手間暇かけて計算し尽くされた秀逸なデザインは、きっと持つ喜びを教えてくれると思います。